奴隷少女と我儘王子
「先生、この部分は【君がいない世界は寂しい】で合っていますか?」
「うん、合っているよ」
あれから知識商人さんは家で少年の授業が終わると、私の下に来てくれるようになった。代わりに少年は、あまり来なくなっている。12歳だから、家の仕事も沢山あり、父と二人暮らしで、その分仕事も多い。文字は最低限読めるようになれば十分だと父が考えているらしい。勉強を理由に森に来ていたようだから、しばらくは来れないだろう。
私はここ数日で多くのことを学ぶことが出来て、自然と心を開いて行き知識商人さんを「先生」と呼ぶようなっていた。
「君は一度聴いたことは全て覚えるんだね。もう本を読むのに困ることは少ないはずだ。でもまだ覚えられるよね? だから次はこれを読んでみよう」
そういって、先生はいつも持っている肩掛け鞄から分厚い本を取り出した。
「え! こんな高そうなもの、汚したら大変です!」
「大丈夫、気にしないで。ほら読んでみて」
「【我が国の歴史は長く、千年以上も】……?」
「【遡らなければ、その素晴らしき栄光を紐解く事は不可能だ】だよ」
「はい、ありがとうございます。この本はとても難しいですね」
「うん、合っているよ」
あれから知識商人さんは家で少年の授業が終わると、私の下に来てくれるようになった。代わりに少年は、あまり来なくなっている。12歳だから、家の仕事も沢山あり、父と二人暮らしで、その分仕事も多い。文字は最低限読めるようになれば十分だと父が考えているらしい。勉強を理由に森に来ていたようだから、しばらくは来れないだろう。
私はここ数日で多くのことを学ぶことが出来て、自然と心を開いて行き知識商人さんを「先生」と呼ぶようなっていた。
「君は一度聴いたことは全て覚えるんだね。もう本を読むのに困ることは少ないはずだ。でもまだ覚えられるよね? だから次はこれを読んでみよう」
そういって、先生はいつも持っている肩掛け鞄から分厚い本を取り出した。
「え! こんな高そうなもの、汚したら大変です!」
「大丈夫、気にしないで。ほら読んでみて」
「【我が国の歴史は長く、千年以上も】……?」
「【遡らなければ、その素晴らしき栄光を紐解く事は不可能だ】だよ」
「はい、ありがとうございます。この本はとても難しいですね」