私の恋は、期限つき
なんとなくスッキリしない気持ちのまま仕事をしていたある日。

「凜ちゃん、なんだか冴えない顔をしてるけど、なんかあった?」

「えっ?」

美香さんに言われて、自分がへんなんだと初めて気づいた。


「辞めるから寂しいのかな?なんて思ったんだけど、それだけじゃなさそうよね。新川さんのこと?」


うっ!美香さんてなんて鋭いんだろ?
いままでも、いろいろと相談に乗ってもらった美香さんに、やはり相談に乗ってもらうことにしたのだ。

「実は…」




大我さんのとこで、挨拶をしたときに、大我さんのお父さまにだけ反対されてしまったこと、そのお父さまが大我さんの婚約者を決めてしまっていること、その婚約者が、私のとこまで会いにきたこと…など、お正月からつい先日までのことを掻い摘んで説明をした。




「そっかぁ~」

美香さんは、そう言って少し言葉を切った。
「…いい加減なこと言いたくないけど…
私が思うには、新川さんが何か考えてくれてる感じするのよね。
だから、凜ちゃん、心配しないで待ってみたら?
なんの確信もなくて申し訳ないアドバイスなんだけどね。」

私は、軽く頭を横に振った。
「いいえ。話し聞いてもらっただけでも、気持ちが軽くなりました。私、大我さんのこと信じてます。」



そう美香さんに言っていた。








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