私の恋は、期限つき
「よい話しだと思うけど、迷うことあるの?」


「あるって言えばある…」


なんだかハッキリしないな~


「先生に相談したの?」


「したさ。よい条件だし、就職するならこれ以上のとこもないと言われたよ。研究室に残るよりもよいんじゃないかとも言われたね。」


ま、世界的にも先端企業のはずだから、先生にしてみたらそう言うよね。




「迷うことないんじゃないの?」


「そうなんだけど…」


やっぱり、ハッキリしない。
なにを躊躇ってるんだ?



「しかし、卒業待たずにスカウトなんて、少し待てば博士号も取ってから入社できるだろうにね。」


「それについては、仕事に就いてからでも博士号は、取れるから問題ないと言われたよ。それに実力があれば、資格なんてなくても問題ないとも言われた。実力主義だね。」


「そうだったんだ。もしかして、ケイトから直接スカウトされたの?」


「そうなんだよね。ビックリしたよ。」


そりゃ、ビックリするだろう、企業のトップがスカウトしにくるなんで…
たしかに、アメリカじゃ実力主義だから、経歴関係なくスカウトやヘッドハンティングなんて当たり前なんだけどね。


「ケイトに会った?」


「いや、これからなんだ。ケイトさんが、日本に来てくれるって言うんだよ。」


「えっ?」

私は、固まった。


ケイトが、日本に来る?
暇なわけないのに、なんでわざわざ日本に来るんだ?

いままでだって、スカウトとかってあったけど、たいてい本人を会社に呼びつけていたじゃないか!


嫌な予感しかしない。
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