私の恋は、期限つき
淡いクリーム色のシンプルなワンピースに、毛皮のケープ、髪は、セミロングをアップにして纏めてる。


ケイトのエスコートでレセプション会場に向かう。


行きの車の中で
「ケイト、いつから俊司の気持ちとか知ってたの?
私だって知らなかったのに…」

と、気持ちをぶつけるように言ったら
「凛が、鈍感なだけだよ。
変わってないよね。」


などと、涼しげに言われてしまった。



う~、余計にムカつく。




そんな感じで、会場に着いた。

「凛、険しい顔をしてるよ。」

ケイトにそんなこと言われるけど、誰のせいでそんな顔になってると思ってるんだと心の中で呟く。


それでも仕事だと思うから、なんとか笑顔を繕ってみる。


あ~、顔が引きつりそうだ。


会場には、名の知れた人ばかりで、ここぞとばかりに売り込んでる人も見られる。


ケイトもスミスグループ代表代理として、人が絶えず挨拶にくる。


代表って、こんなんしなきゃいけないんだよな。


どこか他人事のように眺めてしまう私がいる。


隣に立っている私にも、皆挨拶をしてくる。
それに対して、笑顔を繕って挨拶を返す。
かけられる言葉は、お世辞とわかる煽て言葉ばかりで飽きてしまう。



財界ばかりでなく、政界の人までいるよ。
かなり大掛かりなパーティーだな~

そう思いながら、時間が過ぎるのを待っていた。
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