私の恋は、期限つき
新川さんは、仕事で会ってるときより、柔らかい感じが増している。

格好のせいだろうか?


こうして、二人きりで横に座ってるなんて、舞い上がりそう。


ガラス越しに見える景色より、新川さんのことばかりを見てしまう。


「そんなに見られると、落ち着かないですよ。
どこか変ですか?」

「えっ!いえ、変でなくて、いつもより若いなと思って…」

「それって、いつもは、老けて見えるのですか?」

「い、いいえ…そうでなくて…

って、…新川さんのご年齢知りませんし…」

「ああ、知りませんでしたっけ、安藤さんは、お幾つでしたっけ?」

「私は、24です。」

「若いな~。私は、30ですよ。」

「見えないです。」
見えない、もっと若く見える。普段のスーツ姿なら、そうかもって思えるんだけど…

「見えないってのは、もっと老けて見えますか?」

「いいいえ、若く見えます。」

「うれしいですね。」


そんな会話をしているとこに、料理が運ばれてきて、二人で堪能する。



「おいしいですね。前菜のマリネもよかったですが、このスープこくがあります。」

「安藤さんにそう言われてよかったです。
それにしても、テーブルマナーがきれいですね。」

「えっ!そんなことないですよ。新川さんこそ、慣れてらっしゃる。
よくいらっしゃるんですか?」

「仕事でテーブルマナーが必要ですからね。安藤さんは、どこかで学んだんですか?」

「いえ、母の教えです。テーブルマナーくらいは、きちんとできるようになりなさいと、小さいときから言われてましたから。」

「きちんとされたお母様なのですね。」

「はい。女性として尊敬してます。」

「母親を尊敬できる安藤さんは、素敵な女性だ。」


新川さんに素敵とか言われて照れてしまう。
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