私の恋は、期限つき
「安藤さんは、先日のパーティーには、どういった関係でいらしてたんですか?そういえば、スミス氏と同伴されてたみたいでしたよね。」


いきなりパーティーのときのことを言われて動揺してしまう。

スミスとの関係は、調べてもわからないはずだが、ケイトといた事実は、隠しようもなく見られているのだから…


「ケイトは、幼いころから一緒に遊んでいて、先日のパーティーも誘われたから行っただけです。」

嘘では、ない。
本当なら、私でなくジョージが行くはずだったのだ。
ケイトが来たから、一緒に連れて行かれたようなものなのだ。


スミスでは、お披露目前に一人でパーティーなどに赴くことは、ない。
女性は、とくにだ。


「スミス氏とかなり親しげだったので、少し妬いてしまいました。」


えっ!新川さんが妬いた?
嘘~!


言われたことが、信じられなくて新川さんのことをマジマジと見てしまう。

「おや?信じてもらえませんか?」

ついコクコクと首を縦に振ってしまった。

「スミス氏は、格好良いし地位も実力もある。女性なら誰しも憧れ、恋心を抱くのではないでしょうか?
事実、あの場にいたほとんどの女性がスミス氏へ熱い視線を投げ掛けていましたしね。」

言ってることは、わかる。
たしかに、客観的に見たら、ケイトってイケメンだし、スミスって背景抜きにしても目を引くだろう。
スミスって背景がつくことによって、一流ブランドより高級になってるようなものだ。
女性にしてみたら、手に入れたいと思うのかもしれない。

だけど…あのケイトだよ。
私の恋路を散々邪魔立てした意地悪いケイトだよ。


人の恋路の邪魔なんかしてないで、さっさと自分が片付いてしまえと心の中でぼやいてしまう。
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