私の恋は、期限つき
自然と顔がにやけてしまう。

「凛ちゃん、にやけすぎ。」

美香さんにそう言われるけど、仕方ない。
新川さんにいただいたたい焼きにパクつきながら、気持ちを落ち着ける。


「これ、おいしい。」
皮が、パリっとしていて餡子が尻尾まで入ってる。

新川さんは、私たち事務員にとおいしいお菓子を差し入れてくれる。

「あら、ホントおいしいわ」

美香さんもそう言いながら、食べている。



この工場では、独立した事務所になっており、社長と美香さんと私の3人で仕事している。

社長は、営業も兼ねているので、外に出ていることも多い。

工場は、ガラス越しに隣接しており、事務所から見渡せるようになっている。



社員は、10人ほどで上は、70歳~下が17歳と年齢層が広い。
と、言っても17歳のすぐ上が35歳の既婚者だ。


社長は、二代目の48歳で年長の古株の社員さんは、初代社長のときからいらっしゃるので、まるで親子のような関係に見えるときがある。

かなりアットホームな会社だ。


人がいっぱいで、同じ会社でも顔を合わせないようなとこより、皆と顔を合わせることのできるこの会社が私は、好きだ。

事務の仕事もお互いにフォローできるように、二人ともすべて網羅している。

いざ休んでしまったりしたときに業務が滞りなくすすむようにだ。


事務の仕事も多岐に渡り、人事、庶務、営業事務に秘書的なことまでこなさないといけない。
会社は、小さいかもしれないが、仕事は、やりがいある。
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