私の恋は、期限つき
メインディッシュをおいしくいただき、デザートのケーキが運ばれてきた。

クリスマスデコレーションでとても素敵でおいしそうなデザートをうっとりと眺めて「おいしそう」と呟いていた私に大我さんが言った。

「そんな幸せそうな凜さんと、ずっと一緒にいたいです。受け取ってください。」

そう言われて、小さな四角い箱を目の前に出された。

「えっ?これって…」


ラッピングされているロゴを見たら、中身がなんだかわかってしまう。

恐る恐る、箱に手を伸ばして開けてみると、中には1カラットは、あるだろうプリンセスカットのダイヤモンドの指輪が入っていた。

「…」
思ってもみなかった。

こんなサプライズ。

気がついたら、涙が頬を流れていた。


「あの…」

不安そうに覗いてくる優しい大我さん。

嫌なわけない。


大好きな彼氏から、プロポーズされてうれしくない彼女なんかいるわけない。

私だって、ものすごく嬉しい。

嬉しいんだけど、素直に頷くことができない。


頭の中をスミスと報告されたことが過る。


「申し訳ありません。急すぎましたか?」

「ごめんなさい。突然で考えてなくて…」
やっとのことで答え、涙をこらえる。

「申し訳ありません。凜さんの気持ちも考えずに…
でも、私の気持ちを伝えたかったのです。
返事は、いまでなくてよいですから…」

そう言われて、私の反応が大我さんを困惑させてしまっているんだと気がついた。

こんな素敵で優しい人を断る人なんていないよね。

だけど、立場を考えると素直になれない私がいる。


「ありがとう。大我さん。大好きです。」
素直にいまの気持ちを伝えた。

「私も、愛してます。凜。

先ほどは、ラウンジで他の男に触れられているのを見て、妬いてしまい取り乱してしまいました。お恥ずかしい。」

そう言って照れている大我さんは、かわいらしい。
大我さんが妬いたりすることにビックリしながらも、うれしかった。



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