私の恋は、期限つき
「お前、その反応ひどくないか?
いいよ。それじゃいくからな。」

拗ねたように行く俊司。

その背中を複雑な気持ちで見送っていた。


申し訳ない。大我さんのことで頭がいっぱいで俊司のこと忘れてた。


「新川さん、よろしければ上がってらして。」

「いえ、送り届けたまでですから、これで失礼します。」

えっ?
もう少し、一緒にいたい。

そう思ったらスーツの裾を掴んでいた。


「外は、寒いから凜ちゃんの部屋にでも入ってもらったら?」

「お言葉に甘えて、少しだけ。」
お祖母ちゃんの言葉で私の部屋へ招くことになった。
隣のアパートに連れていく。

「狭いところですけど、どうぞ。」

ワンルームの部屋に大我さんを招く。

テーブルもソファーもなく、床にラグが敷いてあり、クッションが置いてあるだけだ。


トレーに紅茶を淹れたカップを乗せ、床に置く。

「すみません、テーブルがないので、床に直接で…」

「いえ、かまわないですよ。」

そう言って大我さんは、カップに入ったストレートティーを口にする。

「コーヒーのがよかったですかね?」

家は、お茶党なので、日本茶が紅茶が多いのだ。

「いいえ、紅茶でよいですよ。」

そう言いながら、部屋の中を眺めている。


「引き止めてしまって、申し訳ありません。明日もお仕事でお忙しいんですよね。」

俯きながらそう言うと抱きよせられた。

「うれしかったですよ。」
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