私の恋は、期限つき
耳もとでささやかれて、顔を赤らめてしまう。
「あんなかわいらしいことをされたら、離れたくなくなります。それに、そんな無防備で男性を家に招き入れたりしたら、危ないですよ。」

大我さんのことをちら見しながら言う。
「危ない?」

「そんな表情もです。私も男ですから、狼になってしまいますよ。」

「狼?」
大我さんが狼って想像できない。
そうしたら、大我さんの顔が近づいて唇を塞がれた。


えっ?
これって、キスしてるんだよね。

軽く合わせるようなキスから角度をかえながら、啄むようなキスへとどんどん深まっていく。

息が苦しくなり、口を開いたら舌が咥内へ侵入してきた。

私を味わうように動く舌に翻弄されて、変な気持ちになり、身体の力が抜けたところで唇が離れた。

「狼って、こういうことです。」

ぽーっとしながら、大我さんの言葉を聞いていた。
こんな本格的なキス、初めてだった。

「もしかして、キスも初めてでしたか?」

なんとか小さく、頷く。

「手加減しないで、申し訳ない。」
大我さんが、そんなことを言うから、フルフルと首を振りながら、見つめた。

「また無防備にそんな目をして…」
どんな目をしているのか、わからないけど、大我さんがまた唇を重ねてきた。

さっきより、優しくでも深く長いキスをした。


「これ以上すると、止まらなくなりそうなのでやめておきます。」
唇を離してそう言った。

大我さんが、私に欲情してくれてるのだとわかり、すごくうれしくなった。
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