私の恋は、期限つき
「親子で話したいこともいっぱいあるし、たまには女同士で過ごすのも、よいでしょう?」

そんなお母さんと会うのは、半年振り。


話したいことは、ある。
あるんだけど、大我さんのことをどう話してよいかわからない。


お父さんになら、話すことできない。


珍しく、お祖母ちゃんとお母さんと私でお節料理を仕込みながら大晦日を過ごした。


筑前煮となますは、私の担当で、お母さんが伊達巻と栗金トンをつくっている。


いつものお正月料理の準備をしたら、年越しそばだ。


「こうやって過ごすのって何年振りかしら?」

アメリカにいるときは、ニューイヤーパーティーだったから、私が年越し蕎麦を食べながら過ごすようになったのは、日本にきてからだ。

もともと、お蕎麦が好きだったから、この習慣は、気に入っている。

「お母さんは、ずっとこうして年越ししてたんでしょう?」

「そうよ。家族揃ってね。お母さんの味、いつ食べてもおいしいわ。」

そう、お祖母ちゃんの料理は、おいしいのだ。
日本にきて、お祖母ちゃんに料理を教えてもらって、私もずいぶんと上達した。

なんせきたばかりのときは、和食なんてちっともつくれなかったんだから。


「そうそう、凜ちゃん、彼氏できたんだって?」

「えっ?なんでお母さんが知ってるの?」

「そんなこと、知ってるに決まってるじゃないの。」
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