私の恋は、期限つき
新年を迎えて、お祖母ちゃんに着物を着付けてもらう。

今年は、お母さんも一緒に着物で初詣に行く。






「こうして一緒にお正月を着物で迎えるの久しぶりよ。」

なんて、お母さんが言ってる。

親子揃って着物だなんて、珍しい。

しかも、お祖母ちゃんも一緒にだなんて、初めてだ。


元旦は、商店街も休み。

街は、静かさが漂っているが、スカイツリーのある一角は、賑わっている。


「三代揃って着物だなんて、初めてだね。」
と、私が言うと

「あら、そうだったわね。」と、お母さん。


「今日は、ケリーは、こないの?」
と、お祖母ちゃんが言う。

ケリーとは、お父さんのことだ。


「後でくるって言ってたわ。」

「えっ!お父さん、くるの?」

「そうよ。」


お母さんは、何事もないように言うけど、お父さんがくるってとても珍しい。

なにせ、スミス総裁なのだ。

その上にお祖父ちゃんがいるんだけどね。


「よく時間あったね。」

「あら、年末年始くらい休むわよ。かわいい娘の顔も見たいみたいだしね。」


お父さんは、私のことをすぐ甘やかそうとするから困る。

学校も宿舎にいたし、社会人になって、日本に来てしまったから、小さいときしか一緒に暮らしてない。

しかも、お父さんは、仕事柄とても忙しいから、一緒に暮らしてたときも毎日会ってるわけじゃなかった。

それでも、ホリデーなんかは、一緒に過ごすようにしていた。


そうやって、一緒に過ごすのが少ないせいか、お父さんは、私に甘いのだ。


学生のときは、勉強ばかりでおねだりしたりしない私に、あれこれプレゼントを買ってきて、私が必要ないと怒ったことあったっけな~
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