私の恋は、期限つき
女ばかりで初詣をした帰り道。


通りのカフェで休憩をしていたら、一人の紳士が近づいてきた。


その姿は、この外国人の多い表参道でも目を引くくらい、見た目云々より雰囲気が周りと違うのだ。


「あら、早かったのね。」
朗らかにお母さんが言う。

「お父さん、目立つ」


「明けましておめでとう。ケリー。」


「HappyNewYear涼佳、凜、お母さん。」

そう、特別イケメンでもないが、男前でいかにも上流階級なこの紳士が、私のお父さん。

茶色に少し白髪が混ざってきていて、年齢相当だと思うが、この上流階級オーラが他を圧倒する雰囲気で視線を惹き付けるのだ。

「凜ちゃん、挨拶がぬけてるわよ。」

お母さんに促されて言う。

「明けましておめでとう。」

「ケリー、NewYear!」
そう言ったお母さんの頬にキスを落としている。



これって、普通の挨拶なんだけど、この二人がやると目立つな~
しかも、ここは、日本。
こんなことする人いないもんね。



なんせ、美男美女カップルなのだ。

周りの女性たちなんか、ウットリと眺めてるよ。


私は、こんな自分の両親が好きだ。


いつまでもカップルって雰囲気で、仲がよい。

なんせ、お父さんが一目惚れをして、お母さんのことを口説き落としたんだとか言ってたよな。
イケメンが好きじゃないお母さんは、あまりの身分違いもあり冗談だと思い、始め相手にしなかったらしいけど、あまりにしつこいから、デートをしてみたらその人柄に惹かれたそうだ。



恋愛結婚した両親は、私の理想でもある。
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