私の恋は、期限つき
家に帰るとすでに、お父さんと俊司は、いなかった。


「ただいま」

そう言って玄関をあがると、奥からお母さんがやってきた。

「凜ちゃん、お帰りなさい。デートは、楽しかった?」

笑ってそう言った。

「え、え…え?お母さん、帰ったんじゃ」

「そんなことよいから!さ、いろいろ教えてね。」


すごく楽しそうに、リビングへと連れて行こうとする。

私は、すぐに行かず、着物から部屋着に着替えてから、お祖母ちゃんとお母さんのいるリビングへ行った。

「お母さん、なんでいるの?」

つい言葉が口をついて出てしまった。


「ずいぶんね~。いたら、わるい?」

お母さんが珍しく、拗ねた口調で言う。


「そ、そんなことないけど…」

いつもなら、お父さんがいるときは、一緒に帰ってたから…


「たまには、女子トークしましょうよ。」

嬉しそうに言う。


けど…
女子トークって…

「……」


なんとも言えずにいると、お祖母ちゃんが
「涼佳。凜ちゃんが面食らってるわよ。」


「あら?どうしたの?」


「お母さん、なんでそんなご機嫌なの?」


「だって~、娘と恋ばながしたかったんだもん。」

音符マークが飛びそうな言い方をしている。



「凜ちゃん。涼佳の気持ち、私もわかるのよ。」

お祖母ちゃんも嬉しそうにしている。

そんなもんなの?
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