私の恋は、期限つき
「涼佳は、けっこうモテていたけど、ミスコンテストのタイトルとるまで、彼氏をつくらないって言ってたものね。
それなのに、ケリーと出会ってあっさりミスコンテストを諦めて結婚しちゃったのよね。」

「いやだ~、お母さん。あっさりでもないのよ。だけど、真剣なケリーに対して真剣に答えないとでしょう?ミスコンテストとの両立は、無理だったから、ケリーをとっただけよ。いまでも、後悔してないわ。」


何度聞いても情熱的な両親だ。

「それに、ケリーがついてきてほしいって…」


「そうよね。出会ってからすぐに結婚みたいなもので、交際期間なんて向こうだものね。」

「交際期間なんて、花嫁修業みたいなもので甘くなかったわよ。逆にいまのがラブラブかな?」


たしかに、ラブラブだよなと納得する。


「私のは、このくらいで、凜は、彼氏とどうなの?」


お母さんに聞かれるけど…
なんて答えてよいものか…


「そうそう、挨拶にきたことあるけど、爽やかな感じのよい人だったわよね。」

「そうか、お母さん、会ったことあるんだっけ?」


言っちゃう?
今日のこと二人に言っちゃう?

「それで、凜。今日のデートは、どうだった?」


へっ?
お母さんてどこまで知ってるの?

「ど…どうって…」



「いやぁね~、彼氏の家に行ったんじゃないの?」



えっえうえ~?

もう驚きを隠せずにいたら、平然と当然のことのようにお母さんが言った。


「なに、驚いてるのよ。凜がどこに行ったか、誰と会ってるかは、すべてわかってるのよ。」


なぜに?
なんでなんですか?

「スミスの後継ぎを一人にするわけないでしょう?あなたのすることは、すべてわかるようになってるのよ。ましてや、女の子なんだし、なにかあったら大変でしょう?
ま、あなたの場合、後継ぎだからってだけじゃない理由があったりするんだけどね…」


って、事もなげに言ってくれるけど…
そうなんですか…と、思うしかない。
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