カ・ン・シ・カメラ
そう言い、颯は鼻をすする。


頬には一筋の涙が流れていた。


「あの時、俺が止めていれば希彩は事故には会わなかった……!!」


「それは違うよ颯!」


あたしは颯の手を強く握りしめる。


「事故に会うなんて、誰も思わないよ。仕方のないことなんだよ」


「でも……!」


「自分を責めないで!」


あたしはそう言い、颯の体を抱きしめた。


猫背になり、うずくまるような格好の颯はひどく小さく見える。


その時だった。


慌てている足音が2つ、こちらへ近づいて来た。


あたしは颯を抱きしめたまま、そちらへ視線をやる。


すると、そこには颯のご両親の姿があった。


2人ともスーツ姿で、仕事を途中で抜け出してきたみたいだ。


あたしはそっと颯から身を離した。


「純白ちゃん、来てくれてたのね」
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