カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆
翌日。
学校へ行くと杏里の話題で持ちきりになっていた。
クラスメートから聞いた話では、杏里は昨日の夕方から行方不明になり今もまだ家に戻っていないという事だった。
杏里は家出をするような子でもないし、学校生活で異常もなかった。
そのためいろんな憶測が飛び交っているようだった。
あたしはフラフラと自分の席に座り、そのまま顔を伏せた。
誰とも会話をしたくない。
そんな思いで殻に籠る。
周囲のクラスメートたちも、杏里と一番仲が良かったあたしに配慮して、話しかけてくる子はいなかった。
でも……。
「野原、少しいいか?」
担任教師に声をかけられ、あたしは仕方なく顔を上げた。
「はい……」
「今特別室に警察の人が来てるんだ。天満について、少し聞きたい事があるそうだ」
配慮して小声でそう言ってくる先生に、あたしは顔をしかめた。
警察にあたしが見たすべてのことなんて、言えるわけがない。
それでも行かないわけにもいかず、あたしは重たい体を引きずるようにして歩き出したのだった。
翌日。
学校へ行くと杏里の話題で持ちきりになっていた。
クラスメートから聞いた話では、杏里は昨日の夕方から行方不明になり今もまだ家に戻っていないという事だった。
杏里は家出をするような子でもないし、学校生活で異常もなかった。
そのためいろんな憶測が飛び交っているようだった。
あたしはフラフラと自分の席に座り、そのまま顔を伏せた。
誰とも会話をしたくない。
そんな思いで殻に籠る。
周囲のクラスメートたちも、杏里と一番仲が良かったあたしに配慮して、話しかけてくる子はいなかった。
でも……。
「野原、少しいいか?」
担任教師に声をかけられ、あたしは仕方なく顔を上げた。
「はい……」
「今特別室に警察の人が来てるんだ。天満について、少し聞きたい事があるそうだ」
配慮して小声でそう言ってくる先生に、あたしは顔をしかめた。
警察にあたしが見たすべてのことなんて、言えるわけがない。
それでも行かないわけにもいかず、あたしは重たい体を引きずるようにして歩き出したのだった。