カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆

喫茶店には数人のお客さんしかいなくて、あたしたちは一番奥のテーブルに座った。


「昨日といい今日といい、一体何があったんだ?」


注文したアイスティーが運ばれてきてから、颯がそう聞いて来た。


「大した事じゃないの」


そう返事をするが、自分の手が微かに震えている事に気が付いた。


アプリは自動録画機能が付いているから、昨日のあの映像はまだ残っているだろう。


だけど、それを確認する勇気はあたしにはなかった。


殺された杏里がその後どうなったのか……考えるだけでも発狂してしまいそうになる。


「颯、最近仲良くなって家に入れた人っている?」


あたしの質問に颯はキョトンとした表情になる。


「最近仲良くなった人……?」


そう呟き、眉を寄せて考え込む。


しばらく悩むような顔をしていた颯が、「あ」と、思い出したように顔を上げた。


「そういえば、叶さんは家に入れたよ」


「え……」


叶さん?
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