カ・ン・シ・カメラ
「殺すつもりなんてなかった。ただ、純白の友達だからそばに置いておけばいい事もあるかもしれないと思って……。


だけど、あの子は純白から監視カメラの話を聞いていて、やっぱり警察に届けるべきだよね? って、俺に相談してきたんだ」


杏里……。


あたしが杏里に相談した時、杏里は演技を見せられているだけだと言ってくれていた。


でも、本当はずっと気にしてくれていたんだ。


そんなの……杏里を殺してしまったのは、あたしだ……。


「バレてしまったから、殺す他なかった」


その言葉に、あたしはお兄ちゃんを睨みつけた。


だったらどうしてあたしを殺さなかったの?


何の罪もない女の子たちを殺すくらいなら、あたしを殺してその気持ちを発散させれば、被害者はあたし1人で済んだのに!!


そう言いたいけれど、口をふさがれていて声は出ない。


ただ悔しくて、悲しくて、涙は次から次へと流れ出ていたのだった。


「純白。お前は彼氏の存在を軽蔑し、忘れるべきだったんだ。それなのに、今日図書室に行って事件について調べたりするから……!」


つい数時間前の出来事だ。
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