カ・ン・シ・カメラ
解決
「どうして……鍵を?」


震える声でそう聞くと、叶さんは微笑んだまま小首を傾げた。


「家の者に聞かれたら嫌だろう?」


「家の者……?」


その言い方は、まるでここは自分の家だと言っているようで、あたしは瞬きを繰り返した。


それを見て、叶さんはフフッと声を出して笑った。


「きっと、今純白ちゃんが思っている通りだよ。ここは、俺の家だ」


「叶さんの……家……?」


どうして?


そんな疑問が浮かんでくる。


でも、ここが叶さんの家なら友達であるお兄ちゃんが出入り出来る事も納得できた。


その代わり……。


ここにお兄ちゃんが出入りしていて、あんな犯行を行っているという事を叶さんが知っていた場合……2人は共犯者という事になる。


あたしは知らない間に後ずさりをしていたみたいで、気が付けば窓辺に立っていた。
< 207 / 224 >

この作品をシェア

pagetop