カ・ン・シ・カメラ
兄の友人
パンフレットを片手に部屋を出た時、向かい側のドアが同時に開いた。
「あ、こんにちは」
出てきた相手には見覚えがあり、あたしは頭を下げる。
「お邪魔してます」
そう言い、爽やかに微笑む青年。
身長は颯よりも高く、やせ形の彼はお兄ちゃんの友達だ。
あたしは玄関に見知らぬ靴があった事を思い出していた。
彼は何度か家に来た事があり、名前はたしか……叶篤夢(カノウ アツム)だったと思う。
お兄ちゃんと同じ北松高校(キタマツコウコウ)の3年生だ。
「何を持ってるの?」
そう聞かれ、あたしは自分の手元に視線を落とした。
そこには、つきさっき購入する事を決めた通販雑誌が握られている。
「通販雑誌です」
「へぇ、雑誌の方で買ってるの?」
「ネットでも買いますよ? でも今日はポストに入れられてたから」
「あぁ、そうなんだ。ネットで買う時は言いなよ? 通販サイトのポイントが貯まってるから」
「え、いいんですか?」
思わぬ言葉にあたしは目を輝かせる。
「あ、こんにちは」
出てきた相手には見覚えがあり、あたしは頭を下げる。
「お邪魔してます」
そう言い、爽やかに微笑む青年。
身長は颯よりも高く、やせ形の彼はお兄ちゃんの友達だ。
あたしは玄関に見知らぬ靴があった事を思い出していた。
彼は何度か家に来た事があり、名前はたしか……叶篤夢(カノウ アツム)だったと思う。
お兄ちゃんと同じ北松高校(キタマツコウコウ)の3年生だ。
「何を持ってるの?」
そう聞かれ、あたしは自分の手元に視線を落とした。
そこには、つきさっき購入する事を決めた通販雑誌が握られている。
「通販雑誌です」
「へぇ、雑誌の方で買ってるの?」
「ネットでも買いますよ? でも今日はポストに入れられてたから」
「あぁ、そうなんだ。ネットで買う時は言いなよ? 通販サイトのポイントが貯まってるから」
「え、いいんですか?」
思わぬ言葉にあたしは目を輝かせる。