カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆

そして放課後。


予知通り杏里を見送り、あたしはすぐに家に戻ってきていた。


リビングのソファに座り、スマホを取り出す。


そしていつものアプリを起動した。


「お前、最近スマホに依存してないか?」


そんな声が聞こえてきて、あたしはハッと振り向いた。


リビングの入り口に、お兄ちゃんが立っている。


いつの間に帰ってきたんだろう?


玄関を開ける音にも気が付かなかった。


「お兄ちゃんに言われたくないんだけど」


あたしはそう言い放つ。


ずっとパソコンばかり使っているお兄ちゃんの方が、よっぽど依存しているように見える。


「俺は課題で使っているだけだ」


「同じようなものでしょ!?」


思わず言葉がきつくなる。


早くカメラ映像を確認したいのに、お兄ちゃんがそばにいるとカメラを起動できない。
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