カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆

すべてが順調。


まさにその言葉がピッタリな日々を送っていた。


そして、学校が休みの日曜日。


あたしは颯と一緒にデートに出かけていた。


「今日はすごい人だね」


休日のデパートは人でごった返していて、気をつけて歩かないとぶつかってしまう。


「純白、手繋いで」


そう言い、少し前を歩いていた颯が手を差し出す。


あたしはその手を掴んだ。


「迷子になりそうだから、手を離すなよ?」


その言葉にキュンッとする。


いつもなら人ごみのせいでデートを楽しめないけれど、今日は心に余裕を持つことができていた。


颯は昨日一度も希彩ちゃんを自分の部屋に入れなかった。


それが嬉しかったからだ。


ようやく人ごみを抜けて、休憩をするために軽食屋に入ったあたしたち。
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