カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆

最寄りの雑貨屋さんで一番大きなアルバムを買ったあたしは、大急ぎで家へと戻ってきていた。


玄関を入ってすぐ、スマホのアプリを起動させる。


スマホを片手にもったまま自室へと戻り、買ったばかりのアルバムに写真を貼り始めた。


写真の数はまだまだ多く、とても全部は張り切れない。


でもまぁ、今日はこのくらいでいいか。


真新しいアルバムが一瞬にして颯一色に切り替わり、あたしはニヤリと笑う。


アルバムが増えていくのは、どんどん颯があたしのものになっていくようで、快感を覚えた。


そして、スマホを手に取る。


画面上はまだ薄暗い部屋が映るだけで、颯の姿はない。


「出かけたのかな……」


あたしはそう呟き、時計を確認した。


時刻は12時を少し回ったところだ。


お昼でも食べに出かけたのかもしれない、希彩ちゃんと一緒に……。
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