カ・ン・シ・カメラ
☆☆☆
教室に戻ったあたしに、杏里が声をかけてきた。
「どこにいってたの?」
「颯のところ」
「朝から会いに行くなんて、珍しいね」
その言葉にあたしは頷く。
そして、最近颯の行動が気になるのだという事を伝えた。
「なにが気になるの?」
「颯は将来の事何も考えてないみたいなの。話をすれば希彩ちゃんの事ばっかりだし、希彩ちゃんが成人するまではずっと家にいるとか言ってるの」
そして、困った顔を浮かべるあたし。
杏里もその話には目を見開いて「自分の将来の事なのに、妹が中心になるなんておかしいよね」と、言った。
その通りだ。
本当は監視カメラの事まで言ってしまいたかったけれど、さすがにそれは我慢しておいた。
「だからね、しばらくは颯と一緒にいて、今後の事を真剣に考えてくれるように説得するつもりなの」
「そっか。それがいいと、あたしも思うよ」
「うん。杏里と一緒にいる時間は減っちゃうけど……」
「そんなの気にしないで! 純白がしっかり者で、先輩ってば幸せ者だなぁ」
杏里はそう言い、微笑んだのだった。
教室に戻ったあたしに、杏里が声をかけてきた。
「どこにいってたの?」
「颯のところ」
「朝から会いに行くなんて、珍しいね」
その言葉にあたしは頷く。
そして、最近颯の行動が気になるのだという事を伝えた。
「なにが気になるの?」
「颯は将来の事何も考えてないみたいなの。話をすれば希彩ちゃんの事ばっかりだし、希彩ちゃんが成人するまではずっと家にいるとか言ってるの」
そして、困った顔を浮かべるあたし。
杏里もその話には目を見開いて「自分の将来の事なのに、妹が中心になるなんておかしいよね」と、言った。
その通りだ。
本当は監視カメラの事まで言ってしまいたかったけれど、さすがにそれは我慢しておいた。
「だからね、しばらくは颯と一緒にいて、今後の事を真剣に考えてくれるように説得するつもりなの」
「そっか。それがいいと、あたしも思うよ」
「うん。杏里と一緒にいる時間は減っちゃうけど……」
「そんなの気にしないで! 純白がしっかり者で、先輩ってば幸せ者だなぁ」
杏里はそう言い、微笑んだのだった。