意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「ちょっと待てったら」

「や。よくわかんないけど、瀬田怒ってるみたいだから嫌」

言い合いながら追う魔法使いと追われる魔女を、学生や客は面白そうに見ていた。
一種のパフォーマンスだと思われているのかも知れない。
至るところから、そんな会話が聞こえる。

「杖から何か出るのかな」

「あのかぼちゃバックのが、怪しい」

それはない。
あ、かぼちゃからキャンディが出てはくるけども。

「いやいや……」
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