意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
いつも隣にいて、周囲から見たら恋人同士で。
でも違ってて、曖昧な関係。
おでこにキスをして、顔を近づけて。
放課後も一緒なことが多くて、会えない週末は物足りなくて。

さっきは泣き顔を見て、抱きしめて。
今は自然と腕が伸びた。

ああもう、毎日心臓に悪い。
今日は特に、悪い!

「瀬田、瀬田、苦しいよ……?
あとね、なんかドキドキしちゃうから、やめて……?」

腕の中の彼女が、もぞもぞと顔を覗かせて真っ赤になって、そう言った。
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