意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「あ」

とぼとぼとこちらに向かって歩く魔女を見つけた。
後ろから、

「美空、かっわいぃっ!」

と、俺についてきた鈴木が声を漏らした。
その後に俺の魔法使いルックを見て。
そこまでお揃いにするなんて、よっぽどだね、と言っているけど、今更だろう。

「よ~、魔女さん」

手を振れば、やっぱり文句。

「バカ!
なんなのその余裕!
あたし今日死んだら、あんたとお母さんのせいだからね!」

「だから、死なないって」

恥ずかしさで死にそう……。
立花は頬を紅く染めて、こちらを睨んでいる。
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