意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「美空~?
聞いたよ、出るんだって? カップルコンテスト!
どうして教えてくれなかったの~?
お化粧しようよ、お化粧!
どうせもってないんでしょ?」

俺の後ろから突然現れた鈴木に、立花は驚いた顔をした。

鈴木のクラスは女装男装喫茶店だったらしい。
皆のメイク係だった鈴木は、丁度メイク道具を持っていた。

大きなメイクバックにたじろぐ立花。

「大丈夫だって」

「任せて!」

俺は半ば引きずるように、立花を連れて体育館へ向かった。
後ろから、楽しそうに鈴木がついてくる。
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