意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
パンを食べようとする俺を、じっと見つめる立花。
こないだチョココロネを半分食べたのが、よっぽど嫌だったんだろう。
そのくせまた渡しちゃうんだから、バカだよなぁ。

それに、こんなに食べ物分けあってるのに、どうして気がつかないかな?
立花の食べ物を取ったり、逆に分けたり。
毎回いわゆる間接キスだ。

気づいてないのはこいつだけ。

立花は美少女な上に仕草まで可愛いから、色んな男に日々狙われている。

けど天然記念物並に鈍感な立花は、自分が美少女であることにも、モテていることにも気づいてはいない。
危なっかしくて仕方ない。

それで、おれは出来るだけ立花と一緒に行動することにしている。
変な虫から守るためでもあるし、イチャイチャして見せつけて、男たちに諦めさせるためでもある。

< 16 / 251 >

この作品をシェア

pagetop