意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「なれるよ!」

にこりと微笑んで、美空は花束を差し出した。
あげる、と。

「わぁぁ! 花嫁さんのブーケだぁぁ!
やったぁ! ありがとう!」

頭を大きく下げて大げさなくらいのお礼を言って、女の子は嬉しそうに、男の子と走っていった。
花束を握りしめて、手を振りながら。

「ふふふ、かわいい」

手を振り返しながら優しく微笑む美空。
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