意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
おっと、そうだ。

「ほら美空、行くぞ?」

「え、何?」

俺は思い立って、美空の手をとった。
体育館を飛び出して、目指す場所がある。

「ちょっと、どこ行くの?」

「いいんだよ、すぐわかるから」

手を引く俺たちを、さっき舞台を見ていたのか、皆が指を差して見ている。
一位のカップルだ~。
とか
おめでとう~。
とか。
これで、全校生徒どころか、周囲に住む人たちにも、俺たちはカップルだと、認められたはずだ。

着替えたがる美空を宥めつつ、進む。
俺もさっき知ったとこだけど、カップルコンテスト上位3組は、文化祭の後のの生徒祭でも、舞台に上がるらしい。
で、それまで着替えるな、と言われた。


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