意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
はぁ、と紅くなる顔を抑えてかがんだ姿勢を戻して、周囲を見やる。

「え、そうなの?」

ああそうだよ、中川。
お前にちゃんと報告できて良かったわ。
だからもう、変なこと言うなよ。

俺は他の誰にもバレないように、中川を睨んだ。
中川は、肩を竦めてわかったような合図を小さく送ってきた。

「今更感が、半端ないね」

「ふ~ん、て感じ。
今までと何かかわるの?」

「だよな、俺もそう思う!」

クラス中で笑いの起きる中、一人きょとんとする美空。
だから、いい加減分かれっての。
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