意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「瀬田……?
赤いよ……?」

後ろから、心配そうな声が聞こえる。
何で心配そうなんだよ。
熱出たの? 体調悪いの?
って……!
違ぇよ、バカ!

「お前のせいだよ、バカ美空」

「え? なんで?」

知ってた、鈍感だって。
でも、お前だって、よく真っ赤になってるじゃないか。
人のことは熱出たのかと心配して、自分が顔が赤くなるのはそうでもないんだな?
どうして恥ずかしがってるってわからないんだろ。

「ほらもういいから、とっとと着替えて皆のとこもどるぞ?」

俺は火照った顔をそのままに、美空の手を引いて急いで教室を目指した。
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