意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「よぉ塩崎。どうした?」

こいつ、時々教室に立花を見に来てるんだよな。
あ、それはこいつだけじゃないけど。

下心が丸見えだっての。
告白する勇気どころか、話しかける勇気もないくせに。
一丁前に好きだって顔してるんだよな。

ま、人を好きになる気持ちは自由だし否定はしないけど。

勿論というか、立花は自分目当てで人が集まっていることに気づいてはいない。
「なんか賑やかだね?」
と、首をかしげたりはしてるけど。

話しかけてきた割には黙りこくる塩崎。

「何もないなら、俺もう行くけど?」

そろそろチャイムがなる。
担当の体育教師、厳しいんだよな。
時間までに集合場所で並んでないと、それはもううるさい。
用がないなら、解放してほしい。
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