意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
意地悪、だとかお前が寝たんだろ、とか言い合っていると、ふと声が掛けられた

「美空と瀬田君でしょ。
外まで声聞こえてるよ、どうしたの?」

鈴木が教室を覗き込んで、それからすぐに俺らに近づいてきた。

「あ、ありさ!
明日も一緒にお昼どう?」

「え~、わたしの質問は無視で、明日の話ししちゃう感じなの?」

マイペースにも程があるぞ、と、ツッコミを入れたいけど、いつものことなのでやめておく。
どうやら同じように鈴木も思っているらしい。
苦笑いを浮かべたが、慣れたもので、気にもしていない。

「明日は遠慮しとく。じゃあね」

鈴木は来たと思ったら、あっさり去っていった。
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