意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「バカ優斗!
いっつもいっつも、あたしばっかり名前でバカバカ言って!
ずるいんだからっ!
あたしがバカ美空なら、瀬田はバカ優斗よ!」
初めてだ。
彼女から、苗字じゃなくて名前で呼ばれたのは。
これは、嬉しい。
彼女は、言ってやったぞ! とでも言いたげな得意げな顔をしている。
俺を喜ばせていることに、気づかない。
いつもより丁寧に頭を撫でる俺を、不思議そうに見上げるぽかんとした顔が、愛おしくって仕方ない。
「あーあ、またいちゃついてる」
「立花さんは無自覚だよねぇ」
クラスのあちこちから、冷やかしの声が飛ぶ。
いっつもいっつも、あたしばっかり名前でバカバカ言って!
ずるいんだからっ!
あたしがバカ美空なら、瀬田はバカ優斗よ!」
初めてだ。
彼女から、苗字じゃなくて名前で呼ばれたのは。
これは、嬉しい。
彼女は、言ってやったぞ! とでも言いたげな得意げな顔をしている。
俺を喜ばせていることに、気づかない。
いつもより丁寧に頭を撫でる俺を、不思議そうに見上げるぽかんとした顔が、愛おしくって仕方ない。
「あーあ、またいちゃついてる」
「立花さんは無自覚だよねぇ」
クラスのあちこちから、冷やかしの声が飛ぶ。