意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「……?」

俺の態度と周囲の冷やかしに、クエスチョンマークを頭に浮かべている立花。

「バカ美空、今日は何か食べて帰ろう。
勉強も教えてやる」

今日はもっと一緒にいたい。
もしかしたら、また名前で呼んでくれるかも知れない。

一緒に放課後を過ごすことは時々あるけど、今日はいつもより長く一緒にいたい。

「何か食べたいの?珍しいね? 
お腹すいたの?
あ、勉強教えて貰えるのは助かる!」

無邪気に俺を見上げる立花は、やっぱり何も分かってはいない。

「あ、そうだ。じゃあさ、うちこない?
お母さんが、ケーキの試食してほしいって言ってた!」

それはそれは、願ったり叶ったりだ。
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