意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
俺と高橋は、つい顔を見合わせた。

顔を見合わせる俺たちを無視して、暫くう~んと唸っていた彼女が、突然何か思い立ったように口を開いた。

「もしかしてお父さんになるつもり?!
お父さんの座を狙ってるの?!

いくら母子家庭だからって……。

あたし同級生のお父さんなんて、いらないんだからね?
うちのお母さんを?!」

今度は何を言い出すんだ、この鈍感娘は!
突拍子なさすぎにもほどがあるだろっ!

なにをどうして考えたらそうなった?!

頭を抱える俺の前で、高橋がきょとんとした後、腹を抱えて笑い出した。
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