意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「ありえないんだからね?!」

ありえないって……。
その言葉、そっくりそのまま返したい。

「それはお前だ!
この超絶鈍感娘!!」

何をどうしたらそうなるのか。
全く呆れる。

「だから、あんたの娘じゃないわよ!」

「そっちの意味じゃねぇわ!」

「瀬田……。
思った以上に手ごわそうだな。頑張れ……!」

高橋はひとしきり笑った後、哀れみの瞳で俺を励まし、自分の席へ戻っていった。

結構昨日、いい感じじゃなかったか?
学校でもイチャイチャして、放課後は喫茶店デート。
帰りは薄明かりの下でおでこにキス。
ほんの少しだけでも、進んだと思ったんだけど。
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