意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
それは良いねと、クラス中から声が聞こえる。
確かに何をするにしても、美人がいると目を引くよね。
全面に二人を押し出して行こう。
などなど。

「え、無理、ダメ!」

俺は立ち上がった。

「こいつにそんな根性ないからな?
鈍くさいし恥ずかしがりだしその上バカだし、あと世間知らずで目立つの嫌いなんだからな?」

なんてのは、建前だけど。

バカだって言っても勉強は出来るし、本当にバカだとは思っていない。

あ、目立つのが嫌いなのは、本当。
あと、それ以上に俺が、彼女に目立ってほしくない。

そんな目立たせたら、立花を狙う男が増える。
只でさえ彼女を覗きに来る男たちがウザったいのに。
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