意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

休憩時間の来訪者

「は～い、休憩。
細かいことは次の時間に決めま～す」

チャイムと同時に委員長がパンっと手を叩いて、クラス中に声をかけた。
それを合図にぱらぱらとクラスメイト達が動き出す。

「あの、立花さん！」

「あ、中川さん。どうしたの～？」

立花に、中川が話しかけにきた。
俺は伸びをしながら右隣をちらりと見やる。

この二人、そんなに話す仲じゃなかったと思ってたけど……。
いつの間にか仲良くなってたんだな。
いつも立花と一緒にいるのに、気付かなかった。