好きと言えなくて
眠い、眠すぎて頭がクラクラする。


このまま眠って良いですか。


「おいこら、寝るな!」


お願いですから、寝かせて下さい。


着替えは向こうにあるからと、ジャージのまま連れて行かれた。


朝食食べてないよ。


後で好きなだけ食べさせてやるからと、甘いことばに騙され結局ついていく事に。


本当に意志が弱すぎるんだから。


園村友加里の事務所の新人女優は、30才の少しほっちゃりお姉さん。


可愛いな。


「俺の趣味ではない。」


今は趣味関係ないでしょ。


ほっちゃりお姉さんは衣装が着れなくてかなり焦っていた。


脇に入っていたダーツ取れば、幅が少し広がるはずだ。


衣装を借りて直してみる。


裁縫はかなり得意。


自分の服も父さん服を作ってたし、これくらいなら作り直せると思う。


監督に呼ばれた。


「悪いけど彼女は僕のイメージではないから、君で行くよ。」


そんな簡単に決めないで下さい。


「私は… 」


「監督ありがとうございます。」


ちょっと、私の話も聞いてよ。


私は女優になりたいなんて、これぽっちもと思ってない。


お願いだから、私に選ぶ権利を下さい。



















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