名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
合ってるかな。合ってる、よね!?


相談できる相手がいないと、どうしても不安になる。


まさか友達にもお母さんにも相談するわけにはいかないしなあ……。


ま、まあ、きっとこんばんはで合ってるよね。大丈夫大丈夫。だって夜だし。


『こんばんは』


えいっと半ば勢いでタップする。


そうでもしないと、わたしはいつまでも送れない。


どうしようどうしよう、これでいいのかなあ、ってうなるばかりの自分が容易に想像できるのが悲しい。


実際今までそうだったんだから、そろそろ変わらないと駄目だよね。


いろいろな理由を並べて弾みをつけて、目を閉じそうになるのを堪える。


駄目だ、駄目、待機待機。頑張れわたし。


ハーブティーを飲んで落ち着ける状況じゃなくて、震える手で握りしめて、じりじり焦る気持ちにうるさい心音を聞く。


必死に画面を開いたまま、ひどい手汗に耐えてじっと待っていると、変な通知音が流れて手が跳ねた。


えっ、と一瞬びっくりしてすぐに思い出す。


……そうだ。


これ、そうちゃんの通知音だ。
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