名前で呼べよ。～幼なじみに恋をして～
家から一緒に行くの！？　行っていいの！？


というか普通にって何……！？


わたしの普通は駅の改札口前集合だよ。


駅ならいろいろなところに案内の看板もあるし、建物が横にも縦にも大きいから近くまで行ったら見えるし、改札なら目立つし、ほとんどの場合は行ったことがあって絶対に間違えないから、誰かと待ち合わせするときは大抵駅になるんだよね。


そうちゃんとは普段、別々に登校している。


二人で一緒にどこかに出かけるなんて久しぶりだ。


なんだかちょっと夢を見ているみたいで、信じられない。


……ほ、ほんとにいいんだろうか。


『じゃあ家の前で』


いいの！？　いいの！？　という確認を込めて送ると、すぐさま『了解』と返信が来た。


……そうちゃん、不精するって言ってたけど、返信速いよね。


うんうん悩みながら打っているわたしとしては、ぽんぽん速いペースに毎回あわあわするんだけど、それ以上に嬉しい。


弾む心のまま、予定を詰める。


『何時集合にする？』

『十一時とかどう？　駅着いてちょうど十一時半くらいで、お店もまだあんまり混んでないだろうし、お昼ご飯食べても大丈夫だと思うんだけど』


お昼時は混むし、できたばかりでオープンキャンペーンをしてるのもあって、全体的に結構混雑するらしい。


早めのお昼が嫌じゃなければ、十一時半くらいがいいと思う。


そうちゃんは朝早い人だし、起きてすぐに朝ご飯を食べるから、十一時半までにはお腹がすくはずだ。


わたしも寝坊しないように気をつければ、同じくらいに朝ご飯を食べて同じくらいにお腹がすくから、大丈夫。
< 112 / 254 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop