名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
そうちゃんの方は、全体的に酸味が強くて爽やかだった。


ほどよく涼やかで、酸っぱくない。


「も、もう一口……!」

「どーぞ」

「やったっ」


許可ももらえたことだし、と控えめにした先ほどより多めに飲む。美味しい。


「美味しい! すごい何これ美味しい!」


あんまり好みの味で美味しくて、思わず一人ではしゃいでいたら、苦笑気味なそうちゃんに、「交換する?」と提案されてしまった。


「大丈夫!」


慌ててぶんぶん首を横に振って、グラスを両手で滑らせて返す。


桃の方もとても美味しいので、ちゃんと飲み切りたい。


でも次は、絶対キウイの方を飲もう。そうしよう。


氷が角から欠けていき、まるごと一つ溶けて残り二つになって、注いだデトックスウォーターがそれぞれ話の合間に全てなくなった頃、料理が来た。


おおお。


……料理、すっごく美味しそう。
< 145 / 254 >

この作品をシェア

pagetop