名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「デトックスウォーター飲むよな?」

「うん」


窓際の席は前回座ったので、今度は真ん中辺りの、カウンターに近い席にしてみた。

観葉植物の向こうに厨房が見える席。


お冷やをもらってから、デトックスウォーターの前の列に並ぶ。


「わ、デトックスウォーターも毎回違うんだ……!」


前回がとっても美味しかったので、期待が高まる。


今回のデトックスウォーターには、両方キウイが入っている。


片方はみかんとピンクグレープフルーツとキウイのもの。


爽やかな感じだから、ケーキを食べるときにこれを飲むと、甘さが緩和されていいかもしれない。


飲んでもご飯の味が変わらないように、ケーキを甘すぎるって思っちゃうくらいには、酸味を強めていないだろう。

口の中がさっぱりするくらいの酸味なんじゃないかな。


もう片方は、パイナップルとブドウとゴールデンキウイとさくらんぼのもの。


さくらんぼが鮮やかで、黄色に赤色がちらほら散ると、見た目も綺麗だ。


今日も前と同じく、かわいい手書きのポップが貼ってあった。文字は明るいオレンジだ。


三つ重ねて並べてあるグラスは、今日は淡い淡い桃色。

グラデーションになっていて、飲み口がほとんど透明に近い薄さで、だんだんと濃くなり、底の方は深い桃色をしている。


「佐藤さんどっち?」

「パイナップルとブドウとゴールデンキウイとさくらんぼの方、先に飲もうかなって思ってた」

「だよな。それ気になるよな」

「ね、気になるよね。まずは飲んでみたいよね」


そんなことを小声で話しつつ待っていると、わたしたちの番が回ってきた。
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