名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「そうちゃん、聞きたいことがあるんだけど」

「ん?」


放課後。


行くよ、と教室に顔を見せたそうちゃんと、オレンジ色の帰り道を歩きながら、確認する。


確認するなんて不遜すぎるけど、どれだけ自信あるんだって感じなんだけど、でもこの前提確認しないと話ができないし……!


頑張れわたし……!!


ちらりと横目で見て、そうちゃんと目が合って、思わずのように視線が下がる。


強張る舌を、無理矢理動かした。


「わたし、そうちゃんの彼女(仮)ってことになってるんだよね?」

「……ん」


違かったらどうしよう、ほんとどうしよう、と内心落ち着かないわたしに、そうちゃんはゆっくりゆっくり、小さく頷いた。


よ、よかった。

いやよくな、いかもしれないけど、とりあえずよかった。


記憶は間違っていなかったらしい。


「じゃあわたし、聞かれたら、そうちゃんの彼女って言った方がいい?」

「…………ん?」


どういうことだ、と首をひねるそうちゃんに、慎重に言葉を重ねる。
< 200 / 254 >

この作品をシェア

pagetop