名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
そうちゃんは自分からよく話す方ではなかった。
ただ、話しかければたくさん話してくれたし、にこにこしながらわたしの話を聞いてくれた。
いつも手をつないで、いつも隣にいて、いつも一緒に遊んだ。
いつも。いつも。
おばさんに切り揃えられた髪。
握る手の高い体温。
高く澄んだ声。
三日月の口。
わたしはそんな幼なじみに恋をした。
そうちゃんに、恋をした。
『みいちゃん』
それは、ただの気まぐれだったのかもしれない。
女の子を「〇〇ちゃん」と呼ぶおばさんの真似をしただけだったのかもしれない。
それでも確かに、初めてそうちゃんに名前を呼ばれたときに、心が弾んだのだ。
幼なじみの男の子がわたしを「みいちゃん」と呼んだから、わたしは幼なじみの男の子を「そうちゃん」と呼んだ。
そうしてお互いをそうちゃん、みいちゃんと定義づけたわたしたちは、顔を見合わせて、手をつなぎ、笑い合って、そうちゃんとみいちゃんになったのだ。
この気持ちははっきりと恋だった。
友情じゃない。
憧れじゃない。
きゅうう、と甘く甘く心の底でくすぶった感情を、もし恋と言わないのなら、なんて言うのか分からないほど。
……ねえ、そうちゃん。
初恋の続きをしようよ。
ただ、話しかければたくさん話してくれたし、にこにこしながらわたしの話を聞いてくれた。
いつも手をつないで、いつも隣にいて、いつも一緒に遊んだ。
いつも。いつも。
おばさんに切り揃えられた髪。
握る手の高い体温。
高く澄んだ声。
三日月の口。
わたしはそんな幼なじみに恋をした。
そうちゃんに、恋をした。
『みいちゃん』
それは、ただの気まぐれだったのかもしれない。
女の子を「〇〇ちゃん」と呼ぶおばさんの真似をしただけだったのかもしれない。
それでも確かに、初めてそうちゃんに名前を呼ばれたときに、心が弾んだのだ。
幼なじみの男の子がわたしを「みいちゃん」と呼んだから、わたしは幼なじみの男の子を「そうちゃん」と呼んだ。
そうしてお互いをそうちゃん、みいちゃんと定義づけたわたしたちは、顔を見合わせて、手をつなぎ、笑い合って、そうちゃんとみいちゃんになったのだ。
この気持ちははっきりと恋だった。
友情じゃない。
憧れじゃない。
きゅうう、と甘く甘く心の底でくすぶった感情を、もし恋と言わないのなら、なんて言うのか分からないほど。
……ねえ、そうちゃん。
初恋の続きをしようよ。