名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
三日月の口で発音された、みー、と伸びる音に似た呼び名は、柔らかく甘く響いた。
じわり、胸にしみる。
みい。美里じゃなくて、みいちゃんでもなくて、みい。
初めて呼ばれたのに、すとんと腑に落ちる感覚があった。
わたしが思い描いていたより、望んだ通りにみいちゃんと呼ばれるより、なぜだか自然だった。
きっと、そうちゃんが呼んでくれたからだ。
わたしがお願いしてじゃなく、そうちゃんが自分から呼んでくれたから。
そうちゃんに起因するものは、わたしにとって簡単にしっくりくると決まっている。
みい。
二文字を舌の上で転がしてみると、やっぱり素敵に響いた。
うん。
……うん。いい。素敵だ。とっても素敵だ。
そうちゃんにこれからそう呼んでもらえるのを想像してみたら、あんまり幸せで嬉しくなった。
「いいと思います! すごく!!」
力強く頷くと、そうちゃんは照れをにじませて唇を歪め。
「うるさいんだけど。……みいのばーか」
横を向いたまま、そんなことを言うから。
へらり、相好を崩したわたしに、そうちゃんは不機嫌を装ってさらに眉を寄せた。
「そうちゃん」
気にしないで笑いかける。
じわり、胸にしみる。
みい。美里じゃなくて、みいちゃんでもなくて、みい。
初めて呼ばれたのに、すとんと腑に落ちる感覚があった。
わたしが思い描いていたより、望んだ通りにみいちゃんと呼ばれるより、なぜだか自然だった。
きっと、そうちゃんが呼んでくれたからだ。
わたしがお願いしてじゃなく、そうちゃんが自分から呼んでくれたから。
そうちゃんに起因するものは、わたしにとって簡単にしっくりくると決まっている。
みい。
二文字を舌の上で転がしてみると、やっぱり素敵に響いた。
うん。
……うん。いい。素敵だ。とっても素敵だ。
そうちゃんにこれからそう呼んでもらえるのを想像してみたら、あんまり幸せで嬉しくなった。
「いいと思います! すごく!!」
力強く頷くと、そうちゃんは照れをにじませて唇を歪め。
「うるさいんだけど。……みいのばーか」
横を向いたまま、そんなことを言うから。
へらり、相好を崩したわたしに、そうちゃんは不機嫌を装ってさらに眉を寄せた。
「そうちゃん」
気にしないで笑いかける。